子宮内膜症とは?

子宮内膜組織が、本来あるべき子宮の内側以外の本来はないはずのところに増殖してしまう病気です。女性ホルモンの影響を受けます。月経周期に合わせて増殖や剥離を繰り返すことで、病状が進むと激しい月経痛がおこります。また不妊との関係も指摘されています。また、子宮内膜症は子宮内腔以外の場所に子宮内膜が生育している病気ですので、身体のどこかに子宮内膜が生育している場所があることになります。そうすると、その場所でも子宮内腔で起こるのと同様に、毎月内膜が増殖と剥離出血を繰り返すことになるのです。最近、子宮内膜症が増えてきたといわれていますがその理由として、患者さん自身の関心が高まったことや診断技術の進歩により、受診率や発見される件数が増えているためともいわれていますす。また、晩婚化・少子化・初経年齢の若年化などにより一人の女性の経験する月経回数が増加していることも一因になっていると考えられています。

子宮内膜症の主な症状

子宮内膜症の主な症状としてはまず痛みが生じます。月経期に出血するという子宮内膜の性質から月経に伴う痛みや生理の出血が多くなる過多月経が最も多く見られます。この症状は月経困難症といい、本来はないはずの所でそんなことが起こるのですから病巣の周りには炎症やそれに伴う癒着がおこって、月経時以外にも下腹部痛や慢性骨盤痛になる人が多いようです。又、排便痛や臓器同士がひきつった不自然な状態ることで臓器の動きも悪くなるので、下腹部痛や性交痛の原因になるといわれてます。子宮内膜症では月経困難症が主症状と考えられていますが、症状は月経困難症が88%で、そのうち70%が鎮痛剤を必要としました。鎮痛剤を使用しても日常生活に支障をきたすものは18%におよび、診断に際してもっとも有意な症状は下腹痛であったということです。次に考えられるのが不妊症です。子宮内膜が癒着により卵管の働きが悪くなったり、お腹の中の炎症性の変化が排卵や受精に影響を与えてしまったりすることが原因と考えられていまが、不妊と子宮内膜症は統計的に密接な関係があると考えられるものの、その因果関係は明確には分かっていません。

子宮内膜症の治療方法

子宮内膜症の治療方法には大きく二つに分かれており、薬物療法と手術療法のあります。薬物療法は、対症療法という、程度が軽ければ痛みを和らげるために鎮痛剤が使われます。また偽妊娠療法という、積極的に子宮内膜症を治すために、ホルモン剤を使って妊娠中と同じホルモン状態を作りだす方法が行われていました。最近ではホルモン剤の量を少なくした低用量経口避妊薬の検討がなされていますが、GnRHアナログ療法という子宮内膜症が女性ホルモンの刺激で進行するという性質を逆手にとった、卵巣が働かない状態を作り出す方法もとられいます。また、ダナゾール療法いう男性ホルモンに近いホルモン剤を使って子宮内膜を萎縮させる治療も用いられます。ただし、これらのホルモン療法には副作用があり、使用できる期間に限界があります。、一旦よくなっても治療を止めるとまた子宮内膜症が活発化することが多いので、もっと効果の高い薬剤や投与法の研究が進められています。手術療法としては、卵巣・子宮を残して行う保存手術といった、主に子宮内膜症の病巣を取ることや、子宮内膜症によってできた癒着を剥がすことが行われています。さらには、重症の場合で妊娠の必要がない、あるいは希望しない場合には卵巣や子宮をとる場合(根治手術)もあります。最近では腹腔鏡下手術が進歩し大部分の子宮内膜症に対して腹腔鏡下手術が可能になりました。

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